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相続税対策〜相続対策のポイント

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贈与

1、年間110万円までの贈与税の非課税の利用

1年間(暦年)に人から金銭や物品その他の経済的利益を受けた場合に、その合計金額が110万円を超えますと贈与税が課税されます。
贈与税は贈与金額が大きくなれば贈与税率も高くなりますが、これは相続税の課税を逃れて贈与することを前提にしていますので、相続税より高い税率となっています。

平成27年1月1日以降の贈与から、贈与税の税率が2種類になるとともに税率が変わり、各々税額が次のようになります。

◎贈与額に対する贈与税の税額表
(20歳以上の者がその直系尊属から贈与を受ける場合)

贈与額
贈与税
贈与額
贈与税
贈与額
贈与税
150
4
350
26
1,000
117
200
9
400
33.5
2,000
585.5
250
14
450
41
3,000
1,035.5
300
19
500
48.5
5,000
2,054.5
(単位:万円)


◎贈与額に対する贈与税の税額表(上記以外の場合)

贈与額
贈与税
贈与額
贈与税
贈与額
贈与税
150
4
350
26
1,000
231
200
9
400
33.5
2,000
695
250
14
450
43
3,000
1,195
300
19
500
53
5,000
2,289.5
(単位:万円)


(1) 無税の利用

相続税が多少課せられるようであれば、110万円までの無税の贈与を利用します。1年間で110万円の贈与ですので、10年繰り返せば1,100万円ほど課税なしに財産が移転でき、相続税を節税できます。

(2) 相続税よりも安い税率で贈与を利用
相続税が多額になる場合、110万円の無税の贈与ではなかなか財産が減りません。そのような場合には相続税の税率と比較して、それより低い贈与税の税率を利用して贈与します。

例えば、相続税の上限税率が40%(1人あたりの法定相続分の金額が1億円から3億円の間の税率)の場合であれば、贈与税率30%以下での税率で贈与を検討します。

2、相続開始前3年以内の贈与

相続や遺贈(遺言)で財産を受け取った者で相続開始の日の前日以前3年以内に被相続人から贈与を受けていた場合には、その贈与財産を相続財産に含めて相続税を計算し、算出された相続税から贈与税を控除して納付します(マイナスとなっても還付とはなりません)。

この3年以内の贈与加算は、相続又は遺贈により財産を受け取った方が対象とされますので、相続権のない孫や子の配偶者が遺言で財産を受け取らない限り、この贈与財産の持戻しの対象となりません。したがって、相続開始前3年以内の贈与を受けても贈与の効果を有することになります。

3、贈与の方法

金銭を贈与する場合に、贈与者の口座から受贈者の口座への振込みますと、お互いの口座に贈与の事実が残ります。さらに贈与の契約書を作成し、贈与税の申告書を提出されることで、贈与の事実が明確になります(必ずしも契約書や申告書を作らないといけないわけではありませんが、より贈与を明確にするために行います)。

不動産を贈与するのであれば、その不動産の持分を(例えば、持分10分の1とか)贈与します。
ただし、不動産の場合、同一の不動産を兄弟や家族などの多くの人に贈与しますと、共有者をたくさん作ってしまいますので、それを避け一人の者(もしくはその者の配偶者や子を含める程度)に贈与しておきましょう。ただし、不動産を贈与する場合には、不動産取得税や登録免許税等が課税されますのでご注意ください。

4、名義預金

贈与とはあげる人ともらう人の双方の合意に基づく無償による契約です。当然のことながら、贈与を受けた者がその贈与の事実を把握しており、贈与を受けた後はもらった人(受贈者)が自己の責任で贈与を受けた物を所有していなければなりません。  これらの要件が伴わっていなければ贈与と認められない可能性があります。

相続税の節税を図るために子や孫に金銭を贈与していても、子や孫名義の預貯金等の通帳を受贈者が所持せずに、贈与者本人が持ち続けていることがあります。尋ねてみれば、『受贈者である相手に贈与を伝えていない』とのことです。
これでは税務上、子や孫名義の借名預金として、贈与した本人の相続財産に織り込まれてしまいます。贈与となれば、必ず贈与を受けた者が通帳や印鑑を所持し、運用管理しなければなりません。

なぜ、このような結果になるかといいますと、実際に贈与する側が「贈与した金銭を勝手に使ってもらいたくない」という本音があるようです。でも、それでは贈与したことにはならないことはおわかりでしょう。

5、相続時精算課税の贈与とは

相続時精算課税」の贈与とは年間110万円まで無税となる通常の贈与(これを「暦年課税」の贈与といいます)と異なり、累積で2,500万円まで無税で贈与できる制度として平成15年に新設された贈与です。
ただし、この贈与は、将来贈与した者が亡くなった際、その者の相続財産にこの贈与財産の累計額を加えて相続税を計算し、算出された相続税から受贈者に課された贈与税を控除して精算する贈与です。このとき相続税よりも贈与税の方が多ければ差額の税金は還付されます。

この贈与の場合の「贈与者」と「受贈者」の要件は次のとおりです。
・贈与者は贈与をする日の属する年の1月1日で満60歳以上であること
・受贈者は贈与を受ける日の属する年の1月1日で満20歳以上であり、贈与者の推定相続人又は孫であること


この制度は、贈与を受ける者が選択して税務署に届け出ることにより認められ、その贈与者からの贈与が累積で2,500万円(特別控除)になるまでは無税です。2,500万円を超えれば、その超える部分の金額に対して、20%の税額を納税しますが、相続時にその贈与税を精算します。

この制度をいったん選択しますと、同一の贈与者から受ける贈与について、二度と暦年課税の贈与に戻ることができなくなりますので、この相続時精算課税の贈与を選択する場合には慎重な検討が必要です。

6、住宅取得等資金贈与の特例

平成27年の改正により、20歳以上の者がその父母または祖父母などの直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受け、翌年3月15日までにその住宅等を取得して居住の用に供している場合には、その贈与を受ける時期により、次に掲げる金額までの住宅取得等資金の贈与が非課税となります。

(イ)住宅等の取得時の消費税の税率が8%の場合

住宅用家屋の取得等に
係る契約の締結期間
省エネ又は耐震の良質な
住宅の非課税限度額
左記以外の住宅の
非課税限度額
平成27年1月〜
平成27年12月
1,500万円 1,000万円
平成28年1月〜
平成29年9月
1,200万円 700万円
平成29年10月〜
平成30年9月
1,000万円 500万円
平成30年10月〜
平成31年6月
800万円 300万円


(ロ)住宅等の取得時の消費税の税率が10%の場合

住宅用家屋の取得等に
係る契約の締結期間
省エネ又は耐震の良質な
住宅の非課税限度額
左記以外の住宅の
非課税限度額
平成28年10月〜
平成29年9月
3,000万円 2,500万円
平成29年10月〜
平成30年9月
1,500万円 1,000万円
平成30年10月〜
平成31年6月
1,200万円 700万円


注:暦年課税の贈与であれば、基礎控除額の110万円を加算して贈与することができます。また、この適用については受贈者に一定の所得金額の制限があります。

7、教育資金の一括贈与の非課税制度の創設

30歳未満の者の教育資金に充てるため、その者の直系尊属が金銭等を拠出して金融機関に信託した場合には受贈者一人当たり1,500万円(学校以外に支払われる金銭は500万円)までの金額に相当する部分について平成25年4月1日から平成27年12月31日までの間に拠出されるものに限り非課税とします。



※この「1,500万円までの教育資金に係る贈与」が平成31年3月まで延長となり、新たに留学渡航費や通学定期券代が教育資金に含まれます。

注:従来から、扶養義務者相互間での必要な都度の教育費の贈与は非課税ですが、一度に無税となる多額の贈与ができるメリットがあります(相続税の直前対策にピッタリ)。

8、結婚・子育て資金の一括贈与の非課税制度の新設

20歳以上50歳未満の者が結婚・子育て等の資金に充てるため直系尊属が金銭等を拠出して金融機関等に信託等した場合に、1人当たり1,000万円(結婚に際して支出する費用については300万円を限度とする)まで非課税となる制度が平成27年4月から平成31年3月まで施行されます。



この制度は受贈者が50歳に達したとき、あるいは、信託財産の価額がゼロとなったときにおいて終了した場合に残額があれば、残額について贈与税が課税されます。
また、この信託の管理が終了するまでに贈与者が死亡したときは非課税金額を除いた残額については受贈者が相続または遺贈により取得したものとみなして相続税の対象となります。ただし、相続税の2割加算の対象とはされません。

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